Menu fusion — Washoku × Occident
出汁とソースの折衷
季節 通年ジャンル 和洋折衷想定客単価 ¥24,000〜28,000
雲丹・蛤・松茸・和牛を、出汁の透明感と洋のソースで往復する7皿。折衷は足し算でなく行き来で作る。
1. 先付・アミューズAmuse

胡麻豆腐 雲丹のせ 山葵
Sesame Tofu with Uni and Wasabi
なめらかな胡麻豆腐に雲丹を重ねた会席の先付。器の余白と影で見せる、引き算の美学。
- 野菜づかい
- 山葵を薬味でなく色の要素として扱い、淡緑の円錐で立てる。
- 色構成
- 象牙(豆腐)×橙(雲丹)×淡緑(山葵)を紺地で締める。彩度の高い橙を最小面積で効かせる。
- 仕上げ・ハーブ
- 天に木の芽を一枚。掌で叩いて香りを立ててから載せる。
2. 前菜Entrée

炙り〆鯖と焼き蕪 柚子胡椒
Seared Cured Mackerel with Charred Turnip and Yuzu-koshō
秋鯖を軽く締めて皮目だけ炙り、甘く焼いた蕪と重ねる。紅蓼のひとつまみを利かせた10月の前菜。
- 野菜づかい
- 小蕪はくし切りの断面だけを強火で焼き、甘さと焦げの対比を作る。生の食感を少し残す。
- 色構成
- 鯖の銀×蕪の白と焼き色×紅蓼の赤紫。白い器で銀の光を立てる。
- 仕上げ・ハーブ
- 紅蓼をひとつまみ、鯖の上へ。和のマイクロハーブの基本形、香りは辛味系を選ぶ。
3. スープSoupe

蛤の茶碗蒸し 黒トリュフ
Hamaguri Chawanmushi with Black Truffle
蛤の出汁で立てる茶碗蒸しに黒トリュフを重ねる。出汁の透明感と洋の香りの折衷を一椀で。
- 野菜づかい
- 具は蛤とトリュフに絞り、野菜は香りの柚子皮一筋だけ。出汁の透明感を濁らせない。
- 色構成
- 卵地の淡黄×トリュフの黒×柚子の黄一筋。和の器で洋の黒を受けるのが折衷の要。
- 仕上げ・ハーブ
- 黒トリュフが仕上げ。蒸したてに削り、香りを蓋で閉じて供す。
4. 麺・米・粉物Riz & Pâtes

早松茸と新銀杏の土鍋ご飯
Claypot Rice with Early Matsutake and Young Ginkgo
走りの松茸を薄く割いて炊き込み、新銀杏の翡翠色を散らす土鍋ご飯。香りで季節を宣言する9月の米物。
- 野菜づかい
- 松茸は走りゆえ薄めに割いて全面に放射状に。銀杏の翡翠を10粒ほど、多すぎない密度で散らす。
- 色構成
- 白飯の艶×松茸のベージュ×銀杏の翡翠×三つ葉の緑。秋の淡い色調で揃える。
- 仕上げ・ハーブ
- 三つ葉は歯応えの残る茎ごと。酢橘は縁に一切れ、香りは食卓で搾らせる。
5. 魚料理Poisson選べる2皿

銀鱈の西京焼き はじかみ添え
Saikyo Miso-Marinated Black Cod
西京味噌に漬け込んだ銀鱈を、味噌の糖分で照りが出るぎりぎりまで焼き上げる。焦げの美しさが技術の証明になる焼物。
- 野菜づかい
- はじかみ生姜一本だけを添える引き算の構成。桃色の茎が唯一の彩り。
- 色構成
- 飴色の照り×焦げの濃淡×黒い皿。ほぼ単色の世界に、はじかみの淡紅を一点。
- 仕上げ・ハーブ
- ハーブは使わない。味噌の焦げ斑と皮目の艶が仕上げそのもの。

甘鯛の松笠焼き きのこの出汁ナージュ
Tilefish Matsukasa-yaki in Mushroom Dashi Nage
鱗を立てて揚げ焼きにする松笠仕立ての甘鯛を、きのこ出汁のナージュに浮かべる。鱗の食感が主役の10月の魚料理。
- 野菜づかい
- 舞茸としめじは小房で出汁に泳がせ、菊花の黄を散らして「秋の野」を水面に描く。
- 色構成
- 鱗の金×出汁の淡琥珀×菊の黄×青磁の器。淡い色で層を作る。
- 仕上げ・ハーブ
- アマランサスの赤紫をひとつまみ、鱗の頂に。菊花は数枚で止める。
6. 肉料理Viande選べる3皿

黒毛和牛フィレの炭火焼き 山葵とジュ・ド・ヴィアンド
Charcoal-Grilled Wagyu Fillet with Wasabi and Jus
和牛フィレを炭火で焼き、洋のジュと本山葵を並走させる。京野菜の焼き目で「和」の座標を示す肉料理。
- 野菜づかい
- 賀茂茄子と万願寺唐辛子を炭の焼き目ごと添え、京野菜で「和」の座標を示す。
- 色構成
- ロゼの断面×炭の黒×茄子の紫×万願寺の緑。和の色を洋のジュで繋ぐ。
- 仕上げ・ハーブ
- 紫蘇の芽を数点。山葵は直前におろし、辛味の立つうちに供す。

鴨ロースの炭火焼き 無花果と実山椒
Charcoal-Grilled Duck with Fig and Sansho
炭火の鴨ロースに、焼いた無花果と実山椒のジュ。フレンチの鴨×果実の定石を、山椒の痺れで和へ引き寄せる。
- 野菜づかい
- 無花果を野菜枠で使い、半割の断面焼きで甘さを香ばしさに変える。
- 色構成
- 鴨のロゼ×炭の黒×無花果の赤紫。秋の暮れ色でまとめる。
- 仕上げ・ハーブ
- 実山椒の緑の粒をジュに沈める。ハーブは載せず、痺れの香りで締める。

仔羊のロースト 赤味噌とバルサミコ
Roasted Lamb with Aka-Miso and Balsamic
仔羊のローストに、赤味噌とバルサミコを合わせたソース。発酵の深みで羊を和へ引き込む折衷の一皿。
- 野菜づかい
- 焼き葱2切れを添え、焦げの甘さで味噌と橋を架ける。
- 色構成
- ロゼ×味噌ソースのマホガニー×葱の焦げ。発酵の深い色で統一。
- 仕上げ・ハーブ
- 山椒粉の縁の一筋が和の署名。ハーブは載せない。
7. デセールDessert

抹茶のフォンダン 黒蜜と米菓のアイス
Matcha Fondant with Kuromitsu and Rice-Cracker Ice Cream
割ると緑が流れる抹茶のフォンダンに、黒蜜と炒り米の香ばしさ。和の三色で締める折衷のデセール。
- 野菜づかい
- 抹茶を「緑の主役」として苦味と色の両方で使う。果実は使わない。
- 色構成
- 抹茶の深緑×黒蜜の黒×アイスの白。和の三色をそのまま皿にする。
- 仕上げ・ハーブ
- 供する直前に抹茶を片側だけ霧のように。割れた中心から流れる緑が仕上げ。