Menu français — Grande cuisine
王道のグランメゾン
季節 通年ジャンル フレンチ想定客単価 ¥26,000〜30,000
フォアグラ・オマール・黒トリュフ・舌平目。価格の説明が要らない定番の贅を、7皿に正しい順で積む王道構成。
1. 先付・アミューズAmuse

ホタテのタルタル 柚子ヴィネグレット
Scallop Tartare with Yuzu Vinaigrette
生ホタテを柚子の酸で締めた冷たいアミューズ。透明感のある貝の白と柚子皮の黄色だけで構成する、コースの幕開けの一皿。
- 野菜づかい
- エシャロットのブリュノワーズを甘みと食感の芯としてタルタルに混ぜ込む。野菜は主張させず、貝の透明感を支える脇役に徹する。
- 色構成
- 半透明の白(帆立)×鮮黄(柚子皮)の二色構成。金色のヴィネグレットが皿面に薄い光を足す。
- 仕上げ・ハーブ
- チャイブを1cm長に切って天に数本。柚子皮は細く、散らしすぎない。
2. 前菜Entrée

フォアグラのポワレ 林檎のキャラメリゼ
Seared Foie Gras with Caramelized Apple
厚切りのフォアグラを香ばしくポワレし、カルヴァドス香る林檎のキャラメリゼを敷く。グランメゾンの前菜の定石。
- 野菜づかい
- 林檎を野菜枠で使い、薄切りの扇でフォアグラの土台にする。甘味と酸がソースを兼ねる。
- 色構成
- フォアグラの金茶×林檎の琥珀×ブリオッシュの金。暖色の同系で「豊かさ」を作る。
- 仕上げ・ハーブ
- アマランサスをひとつまみと塩の薄片。ポワレの艶を消さない量で止める。
3. スープSoupe

オマール海老のビスク コニャックの香り
Lobster Bisque with Cognac
殻ごと炒めて旨味を出し切るオマールのビスク。コニャックで香りを立て、爪肉を一片浮かべる。
- 野菜づかい
- 香味野菜は漉して色と厚みに変える。表に出る野菜はなく、深い橙こそが野菜の仕事の証明。
- 色構成
- 深橙×クリームの白×オマールオイルの赤金。単色の深さで価格帯を語る。
- 仕上げ・ハーブ
- セルフィーユを一葉、爪肉の上にだけ。スープの面は乱さない。
4. 麺・米・粉物Riz & Pâtes

黒トリュフとリコッタのラビオリ 鶏のジュ
Black Truffle and Ricotta Ravioli with Chicken Jus
リコッタを包んだラビオリに鶏のジュをまとわせ、黒トリュフを惜しまず削る。コース中盤の香りの山場。
- 野菜づかい
- 野菜は使わずトリュフを主役に。黒い薄片の枚数がそのまま価格の見せ方なので、重なりを恐れず削る。
- 色構成
- 生地の生成り×ジュの琥珀×トリュフの黒。三色で締める。
- 仕上げ・ハーブ
- ハーブは使わない。仕上げはトリュフとチーズの薄い霧だけ。
5. 魚料理Poisson選べる2皿

舌平目のムニエル グルノーブル風
Sole Meunière Grenobloise
焦がしバターにケッパー・レモン・クルトンを合わせるグルノーブル風。古典の魚料理を一枚のフィレで端正に。
- 野菜づかい
- 野菜は使わず、ケッパー・レモン果肉・クルトンの「点の薬味」で構成する古典の文法。
- 色構成
- ムニエルの金茶×レモンの黄×パセリの緑の点描。焦がしバターの泡も色の要素。
- 仕上げ・ハーブ
- イタリアンパセリの微塵を薄く。バターの泡が消えないうちに供する前提の盛り。

スズキのパイ包み焼き ソースショロン
Sea Bass en Croûte with Sauce Choron
スズキをパイで包み、鱗の細工を施して焼き上げる。切り分けて供す、グランメゾンの魚のもう一択。
- 野菜づかい
- ほうれん草を魚とパイの間に薄く一層。断面の緑の線が仕事の証明。
- 色構成
- パイの金×魚の白×ほうれん草の緑の線×ショロンの珊瑚色。
- 仕上げ・ハーブ
- エストラゴン一葉。鱗の細工の焼き目がこの皿の飾り。
6. 肉料理Viande選べる3皿

鴨胸肉のロースト オレンジソース
Roasted Duck Breast à l'Orange
皮目をカリッと焼き上げたロゼ色の鴨胸肉に、苦味を効かせたオレンジソース。古典を現代的な盛り付けで再構成した肉料理。
- 野菜づかい
- 野菜は使わず、オレンジの果実味とガストリックで皿を構成する。足すなら苦味系の葉物が好相性。
- 色構成
- ロゼ色の断面×焦がした皮目の茶×琥珀のソース。暗灰色の皿が暖色を引き立てる。
- 仕上げ・ハーブ
- タイムの小枝を1本だけ鴨の上に。香りの示唆に留める。

牛フィレのロッシーニ 黒トリュフ
Tournedos Rossini with Black Truffle
牛フィレにフォアグラを重ね、黒トリュフとマデラのソース。グランメゾンの牛の受け持ち、正統のロッシーニ。
- 野菜づかい
- 野菜は使わない。牛・フォアグラ・トリュフの三段積みが構図の全て。
- 色構成
- 牛のロゼ×フォアグラの金×トリュフの黒×マデラの琥珀。
- 仕上げ・ハーブ
- トリュフは供する直前に。ジュの照りで輪郭を締める。

仔羊背肉のロースト ハーブのクルート
Rack of Lamb with Herb Crust
仔羊の背肉に香草パン粉のクルートをまとわせ、骨付きでロゼに焼く。グランメゾンの羊の受け持ち。
- 野菜づかい
- パセリはクルートに練り込み、飾りでなく衣として使う。
- 色構成
- クルートの鮮緑×ロゼの断面×骨の白×ジュの焦げ茶。
- 仕上げ・ハーブ
- クルートは切る瞬間に崩れる焼き加減で。ジュは肉の下だけに。
7. デセールDessert

タルトタタン ヴァニラアイス添え
Tarte Tatin with Vanilla Ice Cream
深い飴色までキャラメリゼした林檎の断面が主役の温かいデセール。冷たいヴァニラアイスとの温度差で締める。
- 野菜づかい
- 林檎そのものが主役。キャラメリゼの深浅で果肉に表情を出し、飾りの果物は足さない。
- 色構成
- 深い飴色×アイスの生成り。温冷のコントラストがそのまま色のコントラストになる。
- 仕上げ・ハーブ
- ハーブは使わない。ヴァニラビーンズの黒い粒を見せて仕上がりの記号にする。